この作品の原作「猿の手」は、イギリスの作家ウィリアム・ワイマーク・ジェイコブズ(1863〜1943)の手によって書かれました。 知る人ぞ知る怪奇児童文学の名作で、3つの願いにまつわる、いたってシンプルなストーリーです。
不況が続く現在、景気回復を願わない人はいないでしょう。何を手にするにも、まずお金が必要な、この資本主義の世界。唱えるだけで、簡単に3つの願い事が叶う魔法の杖(猿の手)が手に入ったとしたら、多くの人は、私利私欲を満たすための願い事に走るでしょう。
しかし、願う望みが何であれ、簡単に叶ってしまったその先には、何か大きな代償が待ち受けている気がしませんか? 一見、願望が鮮やかに実現されたように思えても、それが本当にあなたの望んでいたものだったのか、実はすぐに判断はつかないはずです。
私達の心に巣喰う欲望を養分として増殖する闇の世界。その住人(マフィア)、「猿の手」を手に入れようと暗躍する――。 資本主義化した現実社会に、「猿の手」が放り込まれたという状況下では何が起こるのか?これがユニット391版「猿の手」の発想の原点です。
3つの願い事の顛末と、同時進行するマフィアの「猿の手」略奪作戦。欲望にまみれ蠢(く、人々の血を吸い続け赤く輝く「猿の手」の物語。 さて、その行方は?
ヨコザワ・プロダクションも早や14年目を迎え、毎年恒例のプロデュース公演も、今年で14回目を数えます。 公演を重ねる度に、「マスメディアを中心とした出演活動」から「舞台へ・・・」そんな俳優達の熱い気持ちから『ユニット391(』が産声をあげる事と成りました。そして今回、記念すべき旗揚げ公演となります。皆様、『ユニット391(』のこれからの活動に温かい御声援を宜しくお願いします。
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