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詩集『優しい生命』
佐々木登美子/著

母の箪笥の引き出しをあけると
樟脳のにおいの中に玉虫がいる
輝く緑の翅は紫の筋模様
息を潜めて眺めた
幼い頃の帯留めの思い出
(「夏の虫色」より)

ISBN978-4-8120-1973-3  C 0092
定価2100円(5%税込)

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現代詩の新鋭18
『あなたが風に吹かれて立っている時』
藍川外内美/著

影が本物 本物が影
椅子のイは何故イなのか 
椅子のスは何故スなのか
見つからない答を人は何故探さずにはいられないのか
それを考えずには 生き続けることができない
ISBN978-4-8120-1970-2  C 0392
定価1890円(5%税込)

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詩集『三日箸』
壺阪輝代/著

 私たちは、日々当たり前のように箸を使っているが、考えてみれば、生まれて一番最初に習うのが箸使いである。自分のいのちを育む方法を、子は親から学ぶ。そして、死に際しては、箸によって終止符が打たれる。箸がひとりの人間の人生に深く関わってくるのは当然といえるだろう。
(「あとがき」より)

ISBN978-4-8120-1971-9  C 0092
定価2100円(5%税込)

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詩集『しぶき氷』
水木萌子/著

「しぶき氷」とは、ふるさと会津の酷寒の汀にみられる風物詩である。木々にかかる波しぶきが、そのまま凍結した状態を言うのだが、耳を澄ますと氷に包まれた木々の枝から、滔々と流れる生命(いのち)の鼓動が聞こえてくる。その鼓動と温もり、水木萌子の詩はそこから成り立っていると言ってよいだろう。
(中原道夫)

ISBN978-4-8120-1961-0  C 0092
定価2100円(5%税込)

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詩集『光曝』
原かずみ/著

わたし
影を集めるのが
好きなの
影?
空の影や鳥の影や人の影も
どういたしまして

ISBN978-4-8120-1966-5  C 0092
定価2100円(5%税込)

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『詩と思想詩人集2012』
「詩と思想」編集委員会/著

現代詩は本来何らかの意味で
人間を救済することを理念とし念願としている。そのため本流を失わず、詩精神のもっとも秀れた部分を以て詩作に殉じている。『詩と思想詩人集2012』は、集大成としての詩人の理念を、最高に美しい結晶として提供していると思う。(伊藤桂一)
ISBN978-4-8120-1982-5  C 0092
定価5250円(5%税込)

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詩集『桃を食べる』
塩野とみ子/著

塩野とみ子さんの詩は人生という大地から生まれた。素直で飾り気のない語り口は、陽光をいっぱいに浴びて育った桃の実そのものだ。
ふるさと福島へのはるかな思い。暮らしの中で書きとめた叫びや感動。そのすべてをじっくりと味読してほしい。(一色真理)

ISBN978-4-8120-1952-8  C 0092
定価1890円(5%税込)

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詩集『円-えん-』
阿部堅磐/著

少年の頃 大きな円を描こうと 投企の
世界へ この身を投げ入れた

それから 苦の遊戯を たび重ねながら
いろんな人に出会い そして別れた

ISBN978-4-8120-1991-7  C 0092
定価2100円(5%税込)

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詩集『夢宇宙論』
柳内やすこ/著

この詩集には、整然として美しい宇宙の数式のようなものが隠されている。星々や、人間や、地上のすべての存在は、その大いなる数式の欠片(かけら)であって、ために微小な存在であろうとも輝くのだという詩想が、慰藉と深い歓びをともなって感得させられる。〈宇宙〉への思索を祈りにまで高めた絶頂の詩集と思う。
(以倉紘平)

ISBN978-4-8120-1964-1  C 0092
定価2100円(5%税込)

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詩集『王国記』
植村勝明/著

王国はいつもそこにあるが、
誰もたどりついた者はいない。
ただ、押し殺した悲鳴のようなものが
時おりどこからか聞こえてくる。
それが自分の内側からだと気づいた者だけが、
この書を開くことを許されるだろう。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-1968-9  C 0092
定価1680円(5%税込)

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詩集『一粒の砂―フクシマから世界に』
前田新/著

政府は前田新の故郷を、福島第一原発事故による「汚染状況重点調査地域」に指定した。
なんと無意味な文字列だろう。人々を予約された死の危機にさらし、言葉から魂を奪い去る権力という名の暴力。詩人はいま真実を見届ける一人の阿修羅と化す。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-1969-6  C 0092
定価2625円(5%税込)

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エリア・ポエジア叢書24『優しい予感』
相良俊子/著

答はいつも前にある
一期一会の至福の時間は優しい。
生きていることは無力ではない。
だから〈今〉を喜び、生きていることを楽しもう。
ほら、新しい予感が優しい風の中で始まっている。
未来にはいつも光がある。

ISBN978-4-8120-1988-7  C 0392
定価1890円(5%税込)

201210_2_zan.gif詩集『残像』
香野広一/著

水も人もゆがんでしまった
美しかった川は汚染され、林は切り開かれて道路や家に変わった。けれども目をつぶれば見えてこないか。花筏がみなもを覆い、石仏や彼岸花にふちどられた心の中の懐かしい風景。そこにはふるさと阿武隈川の清流が今もゆったりと注ぎ込んでいるのだ。

ISBN978-4-8120-1965-8  C 0092
定価2625円(5%税込)

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詩集『夕日とラッパ』
松崎縁/著

松崎縁さんは心の翼をもがれ、歌を忘れたカナリヤとなって、フランスをさまよっていた。そのとき、オンフルールの夕日、パリの風が記憶の底に眠っていたものを掘り起こした。夜店で買ってもらった玩具のラッパ、縁側の吊るし柿、母国の言葉、そして何よりも「私が私である」ことの大切さを。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-1974-0  C 0092
定価2100円(5%税込)

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詩集『晴れ、のち〈3・11〉』
ワシオ・トシヒコ/著

 あの生まれ故郷が今……。大きな悲しみを棒のように呑み込んでしまったせいか、無邪気な笑いをどこか遠くへ置き忘れた感がする。“老春”の机上の妄想や思い込みで遣り過ごしたきのうまでが、まるで嘘のようだ。
(著者「あとがき」より)

ISBN978-4-8120-1983-2  C 0092
定価1500円(5%税込)

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新・日本現代詩文庫99『久宗睦子詩集』
久宗睦子/著

わたしは詩いたいのです
ばら色の頬を喪って
かわりに得たものを
あんなにも私を嘲けろうとした
時が
今はいつも私の隣りを歩いていることを
(「春のうた」より)

 久宗睦子さんは、もしかすると、小説を書いたほうがよいのかもしれない――と、ふと私は思ったことがある。久宗さんの詩の多くは構造力に独自の秀れたものがあり、彼女の数奇な人生経験に裏付けされた物語性が、その作品に内流している。
(伊藤桂一・解説より)

 久宗睦子さんの詩の特徴は、そのモチーフが〈外部の内在化〉、〈内部の外在化〉であるかを問わず、こうした質的時間の確保を核に構築されていることである。そこでの久宗さんは現世という舞台の上に立ち、凡庸な日常(物理的時間)を一瞬にして質的時間に変えてみせるマジシャンであると言ってよい。
(中村不二夫・解説より)

 久宗睦子は生活の負の部分を全く詩わない詩人だった。早い時期に両親を亡くされ、それに続く数多の方便の苦労など、詩のどこにもあらわされていない。どんなときにも夢見る文学少女であった久宗睦子はその夢に向かって邁進していたのだ。
(野仲美弥子・解説より)

 さまざまなアクシデントに、詩人は犀利な知性で抗いながら、直向に詩に向き合ってきた事が分かる。しかしこの詩人の独自性は、今も尚なまなましく息づいているらしいそれらの深手が、作中にむしろ甘くも、痛ましくも在って、詩人特有の抒情として華開いていることに在るのではないか。
(春木節子・解説より)

ISBN978-4-8120-1959-7  C 0192
定価1470円(5%税込)