2019年6月20日更新



詩集『夢通分娩』
鎌田東二/著

行こう
天の岩戸を抉じ開けに
暁烏のトビウオたちといっしょに
どこまでもどこまでも
虚空開闢

ISBN978-4-8120-2514-7
定価 本体2000円+税
発行日 2019年7月17日



『「生きている間」』
徳永遊/著

人間、いや生物は皆、産まれて生きて死ぬ。
これを幾度となく繰り返してきました。
生きている間に感じること、考えること、夢想することは
人間らしいことです。そして唯一、許される自由です。
書くことを通してそれらを表現できましたら幸せだと思っています。

ISBN978-4-8120-2503-1
定価 本体2000円+税
発行日 2019年5月18日

2019年5月30日更新



詩集『大森南五丁目行』
甲田四郎/著

体動かなくなって
夏の始めに和菓子屋の店を閉めた
仕事やめたから次の日から
詩をいっぱい書こうと思ったら
詩は何日も便秘のように
出てこない

ISBN978-4-8120-2501-7
定価 本体2000円+税
発行日 2019年5月3日



詩集『川を遡るすべての鮭に』
加藤思何理/著

00 光の手
20 十四歳の誘惑者
11 青い布張りのソファ
31 賢者、不在であるゆえの
40 戯れのインタヴュウ
41 彼女が生まれた場所
42 熱いフライパンの上のバタ
43 酔っぱらった少年と少女のチャント
50 その翌朝
60 奇妙な始まり
71 午後三時のマーマレイド
81 ジャコビニ流星群の歌
90 素敵な三つの友情について

ISBN978-4-8120-2481-2
定価 本体2000円+税
発行日 2019年4月1日



詩歌集『うたものがたり』
田中佑季明/著

本書は、混沌とした生活環境の中から生まれた、
波乱万丈で特異な、希なる家族の肖像画として提出された詩歌集である。
ここでは全身芸術家・田中佑季明の全体像を見ることが出来る。
心の片隅に宿る仄かな炎、過去・現在・未来を見据えた、
類い稀な創造表現の精華がここには確かに存在する。

ISBN978-4-8120-2505-5
定価 本体1500円+税
発行日 2019年4月20日



詩集『否』
根津真介/著

「否」ってやっかいだな
何も考えないで
酒をくらって、くだまいて
そのまま今日を寝るわけにはいかないのか

ISBN978-4-8120-2494-2
定価 本体2000円+税
発行日 2019年4月10日



詩集『めぐり会う瞬間』
武田弘子/著

時は不思議
時は見えず
点々と遠ざかる直線の上
紡ぎながら解きながら
見えて来る時間というもの
見えてくる生きるということ

ISBN978-4-8120-2502-4
定価 本体2000円+税
発行日 2019年5月15日



新・日本現代詩文庫144『清水榮一詩集』
清水榮一/著

 さてこの強靭な姿勢は何処から導かれてくるものなのか、当然先天的な個人の才能によるものと言ってしまえることではあろうが、それをより強固にしたのは幼少期からの生活環境のなかから培われてきた、厳しい現実を直視する意志とそれに抗う気力とが考えられる。このことはのちに美術家連盟の事務局長に就職されたことで美術への飽くなき思いを達成されたことでも理解出来る。
(高橋次夫・解説より)

ISBN978-4-8120-2509-3
定価 本体1400円+税
発行日 2019年5月30日


詩集『ゆめむぐら』
長山やひろ/著

ずっとむかし
ぼくは空をとぶことができた
風をとらえてゆらりと舞い
ときに
つぶてとなって空をきり裂く
鳥の一族であった

ISBN978-4-8120-24898-0
定価 本体2000円+税
発行日 2019年4月30日

『ヤニス・リッツォス詩集』
東千尋/編訳

見えるものの背後にある
隠された意味をほのめかす呟き
―ギリシア詩人ヤニス・リッツォスの
詩集28冊から精選

ISBN978-4-8120-2485-0
定価 本体3000円+税
発行日 2019年3月20日

詩集『喜びの島』
白取範子/著

かつて歩いた道を歩いている
子供だった頃
あなたが鳴らすチェロに
両手を滑らせた
五線譜
チェロはみるみるうちに白い鳥になった

ISBN978-4-8120-2491-1
定価 本体2000円+税
発行日 2019年4月20日

2019年2月26日更新

詩集『九月の秋風』
横倉修一/著

山裾に燃え盛る枯穂は
夕風に一斉に雪崩を打って
灯籠のように山肌を流れ下ってゆく

ISBN978-4-8120-2486-7
定価 本体2000円+税
発行日 2019年2月10日

詩集『片々好雪』
横倉修一/著

ひたすら舞う雪片の呟きに
耳を澄ましていると
「自分はなぜここに存在しているのか?」
という想念が
わたしの心を突き上げてくる

ISBN978-4-8120-2487-4
定価 本体2000円+税
発行日 2019年2月10日

詩集『私の小さな人生』
相原勝/著


絶望していたので
信濃川の河川敷を
六歳になる息子を
かたぐるまして歩いた

タンポポが一面びっしり
咲きやがって

初夏かなあ

つまらないから
石をけっとばしたら
ぐらっときて
子供は
わーと
はしゃいだ声を
あげた

ISBN978-4-8120-2488-1
定価 本体2000円+税
発行日 2019年2月15日

新・日本現代詩文庫142『万里小路譲詩集』
万里小路譲/著

 失意や不条理で絶望にひたるよりも、むしろ恋情のような熱い心で、いま・ここに在る生を永遠のものとして享受しながら、では「なぜ」とその意味と対話する精神を持続している。誕生し、生きて、恋して、死にゆく、この宇宙の片隅に現成した一存在として、永遠の空に向かって「問い続ける存在」であり続けることが救済である。そのことによって万里小路譲はまぎれもなく時を超えてゆく詩人なのである。
(近江正人・解説より)

ISBN978-4-8120-2490-4
定価 本体1400円+税
発行日 2019年2月20日

新・日本現代詩文庫143『稲木信夫詩集』
稲木信夫/著


 稲木氏が鈴子を文学の師と仰いで詩的出発をしたことは稲木氏の詩の歩みに大きな影響を与えた。それは詩の傾向が相似だといったようなことでなく、稲木氏の詩を書く姿勢の根本のところに中野鈴子の教えが生きているということなのだ。教えの中心は忍耐の精神であり、克己の精神であり、抵抗の精神であり、行動の精神であろう。稲木氏の詩は鈴子の詩の系譜を継承する。
(広部英一・解説より)

ISBN978-4-8120-2489-8
定価 本体1400円+税
発行日 2019年2月10日

詩集『脳に雨の降る』
吉川伸幸/著

想像すること、感じ考えることを断念しないこと、
記憶し続けること、
それが私にできる唯一の、せめてもの抵抗

いかなる状況にあっても常に自分自身であること。そんなことができるだろうか。自分がその場に居合わせたら、あるいは彼自身であったなら、その行為を押しとどめることができただろうか。「ことば」を消せ、と命じられたら私もそうしてしまうのだろうか。

ISBN978-4-8120-2478-2
定価 本体2000円+税
発行日 2018年12月1日