2018年11月更新

201811_1.jpg

詩と思想新人賞叢書13 詩集『嘘の天ぷら』
佐々木貴子/著

やさしい家に行くならば、心を持っていってはいけません。心を取り出して、いたずらする子鬼がいるからです。わたしの心が真っ白すぎる、弱すぎると言って心を取り上げ、唾液をつけて磨こうとするのです。心は磨かれているのでしょうか、それとも汚されているのでしょうか。黄ばみつつあるわたしの心を母は臭いと言いました。

ISBN978-4-8120-2457-7
定価 本体1400円+税
発行日 2018年9月30日

201811_2.jpg

詩集『真夏の夜の樹液の滴り』
加藤思何理/著

額に落ちる一滴の水滴の感触で眼が醒める。
起きあがると、その椰子の繁った葉の背後に星星が瞬いている。
遠くでぼくの名を呼ぶ声がする。
熱い耳朶のうしろで、時計の針が怖ろしい速度で逆回りしている。

ISBN978-4-8120-2437-9
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月15日

201811_3.jpg

詩集『喜傘 寿ぐ』
小山田弘子/著

悲喜こもごも
四分の三世紀の春の遊覧
ゆれゆれて 頭の中を駆け巡り
パッと目覚め
わが人生
物見遊山

ISBN978-4-8120-2458-4
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月10日

201811_4.jpg

詩集『光る手』
木場とし子/著

握り合うでもない指が
触れ合うか 触れ合わないか そのあわいのまま
からみ からめて からまりたい
生き物のように蠢く
ああ そこから発する熱の
なんと熱い事か

ISBN978-4-8120-2444-7
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月13日

201811_5.jpg

詩集『草根木非』
根津真介/著

太陽は爆発し続けている
ベテルギウスはまもなく第二の太陽になろうとしている
非は後ろめたさに諧謔的にならざるをえない

ISBN978-4-8120-2449-2
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月10日

201811_6.jpg

詩集『海と風との対話』
埋田昇二/著

だれか知らない遠い祖先の血が私の体のなかに流れていたと思えば
魂の永遠という言葉が好きな詩人の誇張も
あながち不思議ではないかもしれない

ISBN978-4-8120-2452-2
定価 本体2500円+税
発行日 2018年9月20日

201811_7.jpg

詩集『さまざま想』
鎮西貴信/著

眼を閉じ静かに考えごと 湧き出てくるアイディア
ほら雑音で消えちゃった 静かすぎると脳がお疲れ
人のせいにする己の無能 黙っているのも一つの答
言い訳はしたほうがいい そのために今考えている

ISBN978-4-8120-2453-9
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月30日

201811_8.jpg

詩集『ヒトとモノのはざまで』
中久喜輝夫/著

いよいよですか
いよいよものの平等の世界に帰る日が来ました
やっとヒトとしての首枷から
解放される時が来たのです

ISBN978-4-8120-2446-1
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月25日

201811_9.jpg

詩集『忘れたい、だから伝えたい』
中原道夫/著

あの忌まわしい少年時代の記憶
アウシュヴィッツ・テレジンの旅
そして失われた数々の命――

それらは「今、詩を書く自分はどう生きるべきか」の命題となった。それが、この詩集の上梓に繋がった。

ISBN978-4-8120-2454-6
定価 本体2500円+税
発行日 2018年9月25日

201811_10.jpg

詩集『木の根道』
根津真介/著

笹舟はひっくり返って
ほどけて一枚の笹の葉にもどるけれど
乗っているぼくは浮かび上がってこない
しがみついている僕の姿もどこにもない

ISBN978-4-8120-2450-8
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月10日

201811_11.jpg

詩集『頬笑みは歳月を越えて』
池沢京子/著

花房の甘い蜜も、
高く 遠く

…故郷…
あれはまぼろしなのだ と
…ふるさと…
を 口ずさむ私がいる

ISBN978-4-8120-2451-5
定価 本体2000円+税
発行日 2018年8月15日

201811_12.jpg

詩集『耳の肖像』
曲山浩/著

詩人は、待っているのだ、声を。
声という喩の含むものは、忘れえぬ人の声とは限らない。
自然界のあらゆるものが発する声であり、
さらには目に見えないものの声。
あえて言えば詩の声でもあるのだ。
(天野 英)

ISBN978-4-8120-2462-1
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月30日

201811_13.jpg

詩集『あらゆる日も夜も』
川井麻希/著

いのちを継ぐ私たちは
宇宙の生んだ時間の中を進む
気づかないまま握ったものを手のひらに感じて
振り返る

ISBN978-4-8120-2434-8
定価 本体2000円+税
発行日 2018年9月30日

201811_14.jpg

詩集『神事』
阿部堅磐/著

今 勇ましく太鼓が響く
見守る人達は一斉に拍手を送る
しあわせであれ 私と妻は心から祈る

ISBN978-4-8120-2463-8
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月11日

img_p001.gif