2020年8月更新 


詩集『粒子 その通過する点点・・』
南久子/著

尾根を行く鳥よ
手のひらを集めに来てくれないか
爛れた治癒しそうもない手のひらにも
会ってくれないか
ISBN978-4-8120-2575-8
定価 本体1800円+税
発行日 2020年8月7日


詩集『流鶯』
花里鬼童/著

もの言わぬたくさんの花の陰で
ぼくは、独り立ち尽くしている
どうぞこのままの立ち居で
いつまでもぼくを咲かせて欲しい
ISBN978-4-8120-2581-9
定価 本体2000円+税
発行日 2020年8月1日


詩集『カフカの瞳』
伊丹悦子/著

「大きな眼を見ひらいて/こちらを見ている」
その眼差しとともに歩む詩人には 思い出す風光のなか
いつも聴こうとしている「もうひとつの耳」に
木々や花々 事物の想いが聞こえてくる
「あなたはあなたの夢をゆすれ」と詩人は呼びかけ
「わたしはわたしのいのちを生きよう」と応える
(川中子義勝)
ISBN978-4-8120-2568-0
定価 本体2000円+税
発行日 2020年8月10日


『詩と思想詩人集2020』
詩と思想編集委員会/著

1972年10月、詩人たちによって旗揚げされた「詩と思想」は、歴代の編集委員・スタッフ、編集参与、購読会員の方々の熱意によって支えられてきた。コロナ感染が世界に拡大、終息のめども立たない中、ここに470名の詩人たちが結集した。今後も、特定の詩的傾向や思想信条に偏らず、読者の期待に応えられる全国誌へと成長を果たしていきたい。詩を愛するすべての読者のため、ここに世代を超越した詩人たちのアンソロジーをお届けしたい。
ISBN978-4-8120-2577-2
定価 本体5000円+税
発行日 2020年8月31日


[新]詩論・エッセイ文庫9『三人の詩人たち』
阿部堅磐/著

戦前・戦後を通じて、抒情詩の世界を牽引し続けた中山伸、伴野憲、亀山巌。三人の先達詩人と同時代を共に生きた著者が、その喜びと感謝を込めて書き続けた結晶がここにある。作品の精緻な分析と鑑賞、詩人達の生涯にわたる事蹟まで、余さず書ききった渾身の書。
ISBN978-4-8120-2580-2
定価 本体1400円+税
発行日 2020年8月10日


詩集『それぞれ願』
鎮西貴信/著

諦念
無駄な努力はしないこと
認めてもらって何になる
歴史に名を残しどうなる
そんなこと興味ないから
自己責任でいいじゃない
健康で楽しい人生に限る
人の不幸は絶対消えない
死んでしまえばみんな空
ISBN978-4-8120-2579-6
定価 本体2000円+税
発行日 2020年9月1日

2020年7月更新 


詩集『夏みかんの木』
三ヶ島千枝/著

夏みかんの木は農作業をする孫を見守る
白球を追う高校生や
難民へ思いを馳せる人を見守る
神社から飛んできた銀杏の葉っぱを見守る
夏みかんの木は著者の中に生えている一本の木だ(北畑光男)
ISBN978-4-8120-2558-1
定価 本体2000円+税
発行日 2020年4月30日


詩集『魂の調べ』
真原継一/著

さあ 君よ
ゆれる心の鈴をふり
出会えない 静かに心揺さぶる 艶やかに歌う
玲瓏な 魂の調べを聞きに行こう
染みわたれ 君の優しい胸の旋律に
ISBN978-4-8120-2562-8
定価 本体2000円+税
発行日 2020年3月31日


詩集『ゆっくり五秒』
井上英明/著

この世に無駄な命はひとつもない。だれもが神の意志を背負って誕生してくる。2016年7月26日、相模原障がい者施設殺傷事件の衝撃。井上英明は障がいを持つ身として、時代の証言台に立った。この事象を共に人々は記憶せよと。愛する者たちとともに、キリストの家族であることを願い、生きる詩人の最新詩集。(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2563-5
定価 本体2000円+税
発行日 2020年5月24日


詩集『祷りへの旅』
高橋次夫/著

一万五千年ほど前の縄文の世界から 現代のわたしたちに至るまで繋げられた命は 祷りの力に支えられてのことと思われる。それだけに この 人間だけに授けられた祷りの力は3・11の大地震、大津嘯に遭われた多くの魂たちの尊厳をも掬い立ち上げてきたと信じている。そして原発破壊の放射線熱がその怒りの鎮まる極みのときまでも 祷りに導かれてわたしたちは旅をすることになるのであろう。
ISBN978-4-8120-2559-8
定価 本体2000円+税
発行日 2020年6月5日



新・日本現代詩文庫150『山田清吉詩集』
山田清吉/著

うまくはないが本ものの百姓の肉声がきこえる。それがいい。自制をきかせすぎて趣味的になるよりも、百姓として言いたいことを百姓らしい音量で過不足なく喋っているのがいい。(松永伍一・解説より)
ISBN978-4-8120-2566-6
定価 本体1400円+税
発行日 2020年6月11日


詩集『空とことばの隙間で』
むらやませつこ/著

むらやませつこさんは観察の詩人です。薔薇の花を見るにも花の〈うなじ〉から入る人です。薔薇が秘める辛さや、生の悲しさ、恥ずかしさを薔薇本体には気づかない背後の白い〈うなじ〉を見つめることであぶり出してくる。そんな凝視の詩人です。むらやまさんは《ことばの音色》に《存在の寂しさを聞く》詩人なのです。(中谷順子)
ISBN978-4-8120-2567-3
定価 本体2000円+税
発行日 2020年6月5日


詩集『東京ラプソディー』
斎藤紘二/著

ぼくらは忘れた歌を思い出さねばならない
人間が人間らしく生きていた頃の歌を
世界をしっかりと深く考える者たち
とりわけ詩人たちは
時代のくらい坑道を進みながら
その時代のカナリアとして生きねばならない
ISBN978-4-8120-2565-9
定価 本体2000円+税
発行日 2020年6月30日


詩集『土偶の時間 人の時間』
倉田武彦/著

悠久を眺める土偶の眼差しと、一個人の平凡な時間を言葉にとどめ、いのちの軌跡の一端として編んだ、珠玉の34篇。
ISBN978-4-8120-2564-2
定価 本体2000円+税
発行日 2020年7月15日


詩集『虚と負と』
根津真介/著

修復師は何でも修復してくれる
盛られた毒薬 倦怠 羞恥
割れた花瓶
たとえ裂けた処女膜だって
ISBN978-4-8120-2569-7
定価 本体2000円+税
発行日 2020年7月10日


詩と散文『寒暖流』
田中佑季明/著

太陽を 背に受けて 今日も 黒い   薄い影が
都会の 舗道に伸びている
痛さを訴えることもなく 黒い血も流さない
薄っぺらな 黒い影
私の黒い影は 私ではなく 私でもある
そんな 不思議な 黒い影
ISBN978-4-8120-2570-3
定価 本体2000円+税
発行日 2020年7月6日