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2025年11月 18日更新

詩集『誰のものでもない時間』
横山克衛/著
漆黒の夜、でてきたビスケット
甘くて静かな音楽、に一晩漬け込んだフレンチトースト
輝く銀の小さなお皿、に描かれた真っ白な黒猫
おやすみ
ISBN978-4-8120-2909-1
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月25日

詩集『白く不機嫌なこどもたち』
鈴木日出家/著
今朝、新聞で白いこどもと目が合いました
どうして通りすぎることができるのか
見ないふりができるのか
鈴木日出家のこどもを見る眼はプリズム的である。あるときは現実に関わった子に、あるどきは報道で知った子たちの傷ついた心に光をあてて、多様な詩のスペクトルを読者に差し出してくれる。作品の中で鈴木自身が登場することは希であるが、こどもたちの生きた証を書き残そうとする鈴木の強い意志が、ストイックな技法を纏いながら詩集全体を貫いている。徳島で教師をしながら堅実に詩を書き続けてきた、鈴木日出家の待望の第一詩集。(苗村吉昭)
ISBN978-4-8120-2921-3
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月30日

詩集『無統制の後に』
橋本信博/著
無統制の後に、一本の薪をくべ、細長い煙突から白のけぶりを出す。
西側のベランダには、ラワンのこの切れ端を貼り、北側の窓には夏の使い古しである、汚れた簾を垂らす。(「無統制の後に」より)
ISBN978-4-8120-2918-3
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月30日

詩集『少し冷たい石の温度』
澁澤政裕/著
光さす昼間の場所がもうすぐ夜を駆逐する
あなたは酔うとお喋りになる
声のトーンが愉しげでおれの想いと釣り合わず
ごめんね
ISBN978-4-8120-2912-1
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月30日

詩集『たねをまいたら後は春を待つだけ』
今森路夕/著
かの地へ
ここを住処として いきることを
許してもらえた のか
ふるえる
声で
問うてみた
日
ISBN978-4-8120-2928-2
定価 本体2000円+税
発行日 2025年11月14日

詩集『夜の間はよく晴れるでしょう』
葉山美玖/著
文豪・夏目漱石は小説『道草』で自分の生い立ちなどをとおして自分を見つめる小説を書いたが、詩人・葉山美玖は詩集『夜の間はよく晴れるでしょう』で、葛藤する自分の生い立ちを詩で表現した。私が注目したのは、葉山は葛藤の中で心を病んだが詩集の中の言葉に明るい未来が見えていることだ。許されるならば詩の力であると言いたい。(北畑光男)
ISBN978-4-8120-2919-0
定価 本体1800円+税
発行日 2025年11月20日

詩と思想新人賞叢書19 詩集『暗香』
勝部信雄/著
真っ白なワイシャツを
脱いだとき
窓の外に
モンシロチョウが飛んでいて
こんなふうに裏表のある
自分のからだが
わたしはなんだかとても
恥ずかしくなった
ISBN978-4-8120-2917-6
定価 本体2000円+税
発行日 2025年11月10日
2025年10月 24日更新

詩集『四国遍路 とさのみち』
中地中/著
今はもうここには
わたしたちの残滓の時間はどこにもいないのですか
生存したという有形の足跡はどこにいったのでしょう
個を彩る意志はどこに埋もれてしまったのですか
自己を識る常識さえもどこかに霧散したのですか
さあ歩きましょう
往時に残る生きた時空を探しに
一緒に辿りましょう
(「生きた時空はどこに」より)
ISBN978-4-8120-2915-2
定価 本体2300円+税
発行日 2025年9月30日

詩集『小児科医のためのレクイエム』
横尾憲孝/著
患者の死とは 敗北であり
いつまでも救われる事のない 魂の傷なのです
感受性の鋭い横尾憲孝は、医者に向いていないのかもしれない。日々の診察の中で救えなかった子どもたちのことを悔やみ、遺族の気持ちを慮り、自らを追い込み憔悴していく。それでも横尾は子どもたちとの思い出を詩に託し、詩を杖として立ち上がる。大病院の集中治療室、街角の病院、水も薬もない国の診療所。魂を傷つけながら医療を続ける世界中の小児科医と救えなかった子どもたちのために、詩による浄化のレクイエムが、いま奏でられる。
(苗村吉昭)
ISBN978-4-8120-2913-8
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月20日
2025年 10月 15日更新

詩集『月光が降り注ぐテラス』
白取範子/著
菩提樹の花が咲く頃
風になったあなたは
一足早く木々に音の花を咲かせ
ウィーンの街を歩くにちがいない
まぶたの裏に映る
ISBN978-4-8120-2910-7
定価 本体2000円+税
発行日 2025年10月24日

詩集『最後の詩 永遠のひかり』
比留間美代子/著
この世のつとめを終えて、いつしか人は永遠という時間に還っていく。93歳の詩人の無垢なことばは、地上に注がれるひかりそのものだ。聖ルカ病院医師日野原重明は「命とは使える時間」であると、105歳の生涯を全うした。比留間美代子にはまだ使える時間がある。永遠を身にまとうまで。
歌曲や校歌の作詩でもしられる詩人の第15詩集
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2902-2
定価 本体2000円+税
発行日 2025年9月20日

詩集『みえない意図をさがして』
工藤富貴子/著
たんぽぽは自分の花言葉を知っているのか
花が終わった後の
更に背を伸ばして
白い綿帽子の種の花が言う
また逢える日までのさようなら
ISBN978-4-8120-2908-4
定価 本体2000円+税
発行日 2025年9月20日
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