2023年4月26日更新 


詩集『パンク60歳 これでいいのだ!』
尾崎義久/著

「尾崎は 居ても居なくても おなじだからな」と
言われながらも
ゴクツブシの ノスタルジーだらけで
長生きも 芸のうちなんじゃい! と
本当に その日はやってきて
コント60歳 これでいいのだ! と
尾崎! 還暦!
ISBN978-4-8120-2754-7
定価 本体1300円+税
発行日 2023年4月23日


詩集『瑪瑙屋』
若宮明彦/著

朝まで部屋の灯りをつけてはいけない
結晶の成長様式はこの世界のタブーだ
灯りをつけたとたん 鉱物は砕け散り
あなたの眼は 黒瑪瑙の義眼となる
ISBN978-4-8120-2747-9
定価 本体2000円+税
発行日 2023年4月15日


詩文集『ちいさな勇気』
広岡守穂/著

強い人は他者にぬくもりをもとめるけれど
弱いものが求めるのは声を聴いてもらうことだ
生きることに
勇気がいった
あのころ
あなたに出会った
ISBN978-4-8120-2751-6
定価 本体2000円+税
発行日 2023年3月25日


評論集『伊東静雄―戦時下の抒情』
青木由弥子/著

昭和10年代の日本に特異な光芒を放った伊東静雄。存在の根底を問う凛冽な抒情で知られるが、困難な時代に書き継がれた詩篇には、生と死の交錯の陰で小さきもの、かそけきものへの眼差しが深く刻印されている。
没後70年、戦時下の抒情をあらためて問い直す。
ISBN978-4-8120-2743-1
定価 本体2500円+税
発行日 2023年3月12日

2023年2月10日更新 


詩集『空』
中原道夫/著

空(そら)は空(くう)、
確かに存在するものなのに
遍くすべてを包んでくれるものなのに
捉えることのできない空(くう)、
だから詩人は、その大きなものを「カミ」と呼ぶ
ISBN978-4-8120-2737-0
定価 本体2500円+税
発行日 2022年12月25日


新・日本現代詩文庫163『会田千衣子詩集』
会田千衣子/著

 ぼくは、会田の詩の形而上性をたかく評価する。会田は、その到達した水準、この水準をそののちは安価な満足と交換しようとはしないだろう。その水準に達した者だけが、さらに歩んでゆける地平に迫るのだ。とぼくはいいたいのだ。現在の会田に、むだな傲慢はない。今の会田に、乗り越えきたった者の爽やかな清潔さとさえいえる相貌を、僕は見ている。会田の詩に逸脱はなかった。苦闘と言葉どおりにいえるほどのオーソドックスな姿勢だけが、一筋の道をつらぬいている。唐突なようだが、ぼくはこれを会田千衣子の中立進化説といいたい。真の進化は突然変異によらない中道のひとすじにある。静と動、早熟と未熟、女性と男性、自己愛と他者愛それぞれに敏感に揺れながら、中立の道をゆく時間・空間のスケールが、その詩の特質だ。これは客観的にいって、現代詩、いや現代詩の枠をとっぱらった詩の将来の可能性をもっとも大きく広くはらむ方向である。
(江森國友・解説より)
ISBN978-4-8120-2738-7
定価 本体1400円+税
発行日 2022年12月20日


『リルケからの回生』
坂本正博/著

前原正治・金井直は、「緑の歌・道」(本来の生命の記憶、死者の叡智が支えている生者の歩み)を希求し、立ち帰る造形を創出した。同時に戦災死者の告発・遺志も招魂し、人の罪責を剔抉して、裁きの磁場から回生(リルケからの回生)する瞬間も透視する。
 さらに神品芳夫は、この新水脈をいち早く紹介し、自らの詩作において固有の「自然詩」を創出している。
ISBN978-4-8120-2700-4
定価 本体3000円+税
発行日 2022年12月28日


詩集『新しき明日へ』
池田功/著

今、岩だらけの小高い山
そこは大昔、海の底だった
いや、今、荒れ狂う大海原は未来都市になり
高層ビルの地下深くで
かつての青春をかいま見ることができるだろう
ISBN978-4-8120-2740-0
定価 本体2000円+税
発行日 2023年1月21日


詩文集『八十五歳の思い』
前川幸雄/著

二人の兄三人の姉が人生の務めを果たして来世へ行った
いま 三兄は九十歳 四兄が八十七歳 私は八十三歳 なんとか生きている
私は一向に上手くならない詩を書いて関心の無い人に迷惑がられている
ISBN978-4-8120-2741-7
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月15日


詩集『開』
鎌田東二/著

ひらけごま
開け ゴマ
抜け 誤魔
拓け 護摩
開け 互真
ひらけごま
ISBN978-4-8120-2744-8
定価 本体2000円+税
発行日 2023年2月2日


詩集『めぐるポプラ』
宮永蕗/著

窓から日々を眺めると、
物語にあふれている。
ひらくように綴られた言葉が、
教えてくれる。
(三角みづ紀)
ISBN978-4-8120-2745-5
定価 本体2000円+税
発行日 2023年1月30日

2022年12月28日更新 


『高良留美子全詩 上』
高良留美子/著

初期詩篇から全既刊詩集、さらに詩集と同時期の未刊詩篇を著者自らが精選収録した、高良留美子の新たなる全貌が出現。全ての詩集・詩篇を、自ら全面的に再編集し、さらに改訂・改稿を施した定本全詩集。高良留美子が遺し、未来へと伝えたかった全ての言葉と思いが、ここに集結した!
ISBN978-4-8120-2735-6
定価 本体5000円+税
発行日 2022年12月16日


『高良留美子全詩 下』
高良留美子/著

全既刊詩集と、同時期の未刊詩篇を著者自らが精選収録した、高良留美子の新たなる詩の世界。全ての詩集・詩篇を、自ら全面的に再編集し、さらに改訂・改稿を施した定本全詩集。高良留美子の全貌ここに出現。死の直前まで書き継いだ詳細な自筆年譜も収録。
ISBN978-4-8120-2736-3
定価 本体5000円+税
発行日 2022年12月16日


詩集『胎生の森』
宮崎亨/著

ひとは病気や事故で死ぬのではない
それぞれの寿命で死ぬのだ
目に見えない微小鬼たちが
手を尽くして護ってくれたいのちと名誉
僥倖にめぐまれたその日の夜
火を消した避難小屋の冷気のなかに
寿命という針の先で自分が生きていた
ISBN978-4-8120-2714-1
定価 本体2000円+税
発行日 2022年11月30日


『柳田光紀詩集』
柳田光紀/著

百三十八億年前ビッグバンによって
宇宙が誕生し その後十億年は暗黒の闇だった
私たちの地球の住処の銀河は二十四億個の銀河
宇宙の中にあって今なお光の速さで膨張している
ISBN978-4-8120-2733-2
定価 本体2000円+税
発行日 2022年11月30日


詩集『天空を仰ぎて』
村上佳子/著

ゆらゆらと曲がりくねり
歩きつづける夫婦の足あと
あふれるほどの愛しさに
涙で消えてしまいそう
消さないで
消さないで
ISBN978-4-8120-2723-3
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月20日


選詩集『虹色の羽根』
藤井雅人/著

物語性を作品に取り入れようと試みた『ボルヘスのための点景集』、種々の花をテーマとした『花の瞳』、時間というテーマの深化を目指した『孔雀時計』。
最新の3詩集から採られた、詩人の詩業の到達点28篇。
珠玉の選詩集。
ISBN978-4-8120-2731-8
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月20 日


詩集『ジャミラ祈念日/被爆者ゴジラ』
松本賀久子/著

「高度成長期の中でウルトラマンに、いや、私たちに殺されなければならなかった怪獣たち。ウルトラマンが放送されていた時、私は小学校の低学年でした。殺される怪獣はかわいそうだ、そう思いながらも、ウルトラマンが無事に怪獣を「征伐」してしまうと、ほっとして寝についたものでした。」半世紀以上の時を経て、私たちは、いまだにそれら怪獣たちに鎮魂歌を送っていないことに気付かされる。新型コロナ禍に帰天した詩人がそうした想いを自らに重ね合わせたユニークな詩集が、あのゴジラもまた被爆者であることに想いを馳せる遺稿を増補して、ここに復活!
ISBN978-4-8120-2728-8
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月25日


詩集『不思議なるもの』
黒羽英二/著

気がつけば
地球という名の
塵芥集まって球体となり
核分裂続ける太陽の周りを廻る奇蹟の星に
ほんの一瞬蠢いて虫や猫と遊んだ一時を
懐かしみつつ消えて行く
ISBN978-4-8120-2713-4
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月15日


詩集『列島の一隅で』
小山田弘子/著

母は明治生まれ
大正 昭和 平成を生き
十三年前
二〇〇八年暮れの晦日 九十八歳で身罷った
ISBN978-4-8120-2734-9
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月12日


詩集『初めあなたはわたしの先に立ち』
花潜幸/著

さようなら、
水に映る青空よ 星になる前に深く眠りなさい。
そしてあの野葡萄の言葉たちを 花虫の騒ぎが絶えぬ間に
夕陽で燃やしましょう。
「夏の句読点」より
ISBN978-4-8120-2692-2
定価 本体2000円+税
発行日 2022年9月30日


詩集『アンティフォナ』
斎藤菜穂子/著

この夜の先へ行こう/静かに待つ人々の列に並んで/この舟に乗ることを承知して/忘れられる記憶を書き残して(「前夜」より)
めざめへの静かな祈りの息遣い。
こわれてしまったものと再生への深い愛のまなざし。
(日原正彦)
ISBN978-4-8120-2720-2
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月25日


詩集『水の時を閉じ込めて』
藤本敦子/著

わたしは旅に出ようと思わなくなった
空と海のあいだ
ひとびとに紛れて歩く
わたしも旅人
いつか そこいら辺の石になる
ISBN978-4-8120-2739-4
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月20日


詩集『骨考』
鷹取美保子/著

家を継いで代々の骨を託された詩人は、彼岸と此岸の境を越えてくる骨の声を聞く。逝ったばかりの姉の声に愛別離苦の想いを抱く一方、昔日の怨憎会苦の記憶はユーモアをもって軽々と受けとめる。骨壺からの尽きぬ昔話にやがて自分も連なることを想うとき、空の遥かな彼方から吹き寄せてくる風が詩人の身にまとわり、天地のあわいへ引き揚げてゆく。
(川中子義勝)
ISBN978-4-8120-2726-4
定価 本体2000円+税
発行日 2022年12月25日