[新]詩論・エッセイ文庫12『詩人 黒田三郎近傍』
葵生川玲/著

平易な文体で庶民の心の深い部分を表現した詩人黒田三郎。その黒田の晩年の謦咳に接し濃密な関係を築いた著者が、尊敬と感謝を込め一人の詩人として向き合い、黒田の詩的営為と生きて来た軌跡を掘り下げ検証した結実の書。巻末に詳細な「文学書誌」と「年譜」付。
ISBN978-4-8120-2605-2
定価 本体1400円+税
発行日 2020年11月30日


『「山の少女」と呼ばれた詩人―堀内幸枝ノート』
鈴木正樹/著

明かされた抒情詩人の真実――
堀内幸枝の分身、詩誌「葡萄」の編集を終刊まで伴走した鈴木正樹の手による評伝。本著は妻、母という立場を超え、女性性の精神的解放を志す一個の詩人の内面に寄り添い、隠された生の実相を鮮やかに解き明かしている。これは鈴木にしか繙けない堀内幸枝ワールドの言語的開示、かつ虚飾無き鮮やかな文学的成果というしかない。百寿を迎え、これまでの堀内幸枝の静態的なイメージを大きく覆す衝撃の書。(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2601-4
定価 本体2000円+税
発行日 2020年12月6日


詩集『サンクチュアリ』
中山郁子/著

かつて遠い国で私は
光りながら空を飛ぶ魚の群れを見た
川底の泥を浚って 目の無い魚に出会った
ISBN978-4-8120-2608-3
定価 本体2000円+税
発行日 2020年12月10日


新・日本現代詩文庫152『丹野文夫詩集』
丹野文夫/著

 きつい苦味を喰みつくすこととは、みずからの詩の営為にたいする、あるいは自分自身の内奥に向けたある種の倫理宣言というふうに受け取ってもいいと私は思う。
 その上で、さらに一点、圧倒的に彼の詩を読み続けたことで思ったことがある。(倉橋健一・解説より)
ISBN978-4-8120-2607-6
定価 本体1400円+税
発行日 2020年11月30日


詩集『海へ向かう道』
うめだけんさく/著

あるいて あるいて あるきとおす
なんのために
こころのどこかにいつもはりついているぎもんふ
 …………
うみにむかうのはそれをしるためじゃないのか
ISBN978-4-8120-2610-6
定価 本体2000円+税
発行日 2020年12月5日


評論集『詩人の現在』
村椿四朗/著

すべては、コトバを始原に現存する。
詩人は歴史の尖端にあって、停滞せずモダンを横断しつづけなければならない―吉岡実、鮎川信夫から吉増剛造、ねじめ正一まで、現代詩の尖端を駆け続けた詩人たちを捉え、その源流から本質まで余す所なく論証し、さらに詩の未来を見据えた展望を示す渾身の詩論集。
ISBN978-4-8120-2604-5
定価 本体2500円+税
発行日 2020年12月25日


詩集『一本の草は思った』
福冨健二/著

大地と仲良くなろう
……………
ぼくらは草原という名で呼ばれ歓迎されているだろう
どこまでも 大地のある限りどこまでも広がっていこう
ISBN978-4-8120-2613-7
定価 本体2000円+税
発行日 2020年12月10日


詩集『ありがとう』
酒井修平/著

酒井さんの詩は、起こった事柄の細やかなデテールを、順を追って説明しているようにみえて、実は卓抜した省略技法も用いています。酒井さんは地球環境へも憂慮、科学の発展と国家間の覇権争いなどにも心痛め、しっかりした文明批評も持つ詩人です。その思考の底流にも、人への感謝の大切さ、「ありがとう」の声が聞こえています。
(中谷順子)
ISBN978-4-8120-2611-3
定価 本体2000円+税
発行日 2021年1月10日

2020年10月更新 


詩と思想新人賞叢書14 『あの日、水の森で』
草間小鳥子/著

いいえ、あれは朝の光。
あなたが手放そうとしたもののすべて
ISBN978-4-8120-2596-3
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月25日


[新]詩論・エッセイ文庫11『家族の肖像』
水崎野里子/著

自らが生まれて育った場所であり、そして母の最期を看取りに戻った場所でもある吉祥寺、思い出と家族の顔が交差する感動の「吉祥寺物語」、そして孫への讃歌。さらには演劇への情熱。アイルランドの詩人たちのそれぞれの家族事情まで、複数の視点から「家族」を考察した稀有の労作ここに誕生!
ISBN978-4-8120-2590-1
定価 本体1400円+税
発行日 2020年10月5日


詩集『トカゲ』
阿賀猥/著

いつも苦しいんだ。苦しい思いを噛み締めているんだよ。なぜ苦しいのかわからないんだ。けど苦しいんだ。身体中を虫が食い荒らしているように思うよ。いつもそうだよ。
いつもいつも奇声を発しているよ。それが僕の歌なんだ。
いつもいつも悲鳴。悲鳴上げていない時はね、その時は死んでいるんだ。それだけ。
ISBN978-4-8120-2587-1
定価 本体1400円+税
発行日 2020年10月15日


詩集『しのばず』
青木由弥子/著

告げるべき言葉をのみこみ
こみあげてくるものを抑えて
ふれる
押しかねる扉の
きしみ
ふたりで
押す
手を
そえて
ひらかれたひろやかなひろがり
ISBN978-4-8120-2592-5
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月10日


詩集『河口にて』
田代卓/著

詩集はスケールも大きく始まる。宇宙の一存在としての人間、解放感、生きることの原初、素朴さ、人の孤立と集団への回帰を描く。さらに、自然の複雑な時間の推移が描かれる。田代氏でなくては描く事の出来ない世界だ。また、詩人がとらえた風物、見聞、体験が原風景として描かれる……いつまでも輝きを失わない珠玉の思想とことばが全五十六篇を覆っているのである。
(佐々木久春・解説より)
ISBN978-4-8120-2585-7
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月5日


[新]詩論・エッセイ文庫10『詩人だってテレビも見るし、映画へも行く。』
愛敬浩一/著

これはドラマ論ではありません。映画論でもありません。詩論でも、文芸評論でも、もちろんありません。どこから読んでも、「愛敬浩一」がいっぱい詰った、クロスオーバーな世界の書物です。「根っからの批評家」とは、こういう存在なのですから。
…なるほどなあ。
ISBN978-4-8120-2560-4
定価 本体1400円+税
発行日 2020年9月10日


詩集『夢の途中』
やまもとさいみ/著

気がつけばいつも わたしは彷徨っている
探し物をしていて 探し物が見つからなくて
そのうち 自分がどこにいるかも分からず
途方に暮れているのだ
ISBN978-4-8120-2578-9
定価 本体2000円+税
発行日 2020年9月10日


詩集『七月』
伊藤信一/著

美しい
にせものたちには
七月がよく似合った
最後の子音は
口に出してはいけない
革命はなかった
ISBN978-4-8120-2583-3
定価 本体2000円+税
発行日 2020年8月31日