『大貫喜也全詩集』
大貫喜也/著
それにしても、大貫喜也さんはこのような非情な運命を、ヨブのように、よくぞ生き抜いてきたと、今、老後を穏やかに生きるあの温顔に感動するのである。繰り返せば、『大貫喜也全詩集』の中で際立つ絶唱「白い螺旋と僕」において深く描ききった根源的な人間観、自己の卑小をわきまえ、不甲斐なさと罪深さを自覚し、運命を生きること、そのフィロソフィーに立ったからこそ、彼は過酷な運命を生き抜くことが出来たのではないかと、私は信じている。
(石原武・解説より)
ISBN978-4-8120-2120-0本体6000円(+税)