2024年2月更新 

詩集『星降る森の波音』
柊月めぐみ/著

乳白色の輝く帯
あちらからあちらまで
まばゆくこぼれる
光の渦を駆ける
…………
南十字の森に響く
狩りの歌と舟歌が
星の子に聴かせる子守歌にとける頃合い
ISBN978-4-8120-2812-4
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月5日

詩集『更地』
水島美津江/著

町工場主だった父、寄り添う母、娘は革命に走る。そこには我々の愛する昭和の風景があった。林立する高層ビル群、空をふさぎ、風の通り道を奪う。彼らはだれも飢えていない。詩人水島美津江が示唆するのは、幸せでも不幸でもない人たちが浮遊する、心なき仮面の時代へのしずかな告発だ。人は更地の上で、もういちどやり直さないといけない。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2817-9
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月25日

詩集
『僕たちはなくしたことばを拾いに行こう』
南雲和代/著

僕は誰なのか
母は最期までこの国のことばを話さなかった
僕には十五歳までことばがなかった
沈黙の世界をただよっていた
僕には母のことばもこの国のことばも
どちらもなかった
ISBN978-4-8120-2813-1
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月25日

詩集『浮釣木の顚末』
内藤喜美子/著

階段の裏側に潜伏して
いつも隙あらば と様子を窺っている幻の目
なんでもない こんな所に
存在するものの気配が漂う
すっかり忘れてしまっていたんだわ
ISBN978-4-8120-2811-7
定価 本体2000円+税
発行日 2024年2月15日

2024年1月更新 

詩集『僕がいない町』
中川ヒロシ/著

河野先輩は全日本の選手で活躍したのち先生になった
田中君は建設業で何億か借金がある
高田君は工場をいつも辞めたがっている
宮下君は二年前 過労死した
僕は少しの間 本当に歌った
今は 何もなかったように 暮らしている
ISBN978-4-8120-2818-6
定価 本体1800円+税
発行日 2023年12月25日

詩集『果てしない青のために』
青山勇樹/著

せつなさがあふれてどうにも止められないときは
誘われるまま透きとおる青になって海をわたる
おそらくいのちはいくたびも姿を変えるだろう
いつかあなたとひとつになるからきっとなるから
おおきな願いそのものに成り代わろうとするように
ISBN978-4-8120-2797-4
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月24日

詩集『パルスと円環』
麻生秀顕/著

寒くて長い夜が明けて
幻を求める男たちが
白馬に乗ってやってきた
魂も凍る氷の世界から
唇も焼ける砂漠の地平から
そのころの私には
そう見えたのでしょう
ISBN978-4-8120-2816-2
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月20日

詩集『先生の手料理』
則武一女/著

クルミやなつめにピーナッツ
箱にぎゅうぎゅう詰めで送られてきた
先生からの贈り物
…………………
わたしの思い出の詰まっている所から
ISBN978-4-8120-2815-5
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月10日

詩集『虹のような日』
見上司/著

 ウクライナの悲劇にシェフチェンコの詩を思い、いや君はすでに二〇〇二年三月に北欧を思わせる『ニルス』という詩集を出していた。やさしさと愛をかみしめるために詩を書く、また「ペテルブルクの夏はうつくしい」(「白夜もしくは罪と罰」)と君に教えてくれたロシアの若い娘もいた、という。
 君の言う通り、詩を楽しもう。生きることと死ぬことの悲しみを滋味(あじわ)うために。各自に涙ぐみ、やさしい諦めのなかで、そして何度もことばを噛みしめながら。
(佐々木久春)                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                              
ISBN978-4-8120-2810-0
定価 本体2000円+税
発行日 2023年12月10日