2024年9月更新
詩集『その言葉はゴーヤのように』
佐川亜紀/著
戦争が止まず、環境破壊が増す今日。
危機の時代に、沖縄、女性たち、
アジアの言葉と歴史から学びたい。
変貌する世界と平和を考える新詩集。
ISBN978-4-8120-2839-1
定価 本体2000円+税
発行日 2024年9月1日
新・日本現代詩文庫169『田中佑季明詩集』
田中佑季明/著
田中佑季明は姉に多才な詩人の故田中佐知を持つ芸術一家の次男である。豊かな教養や旅行経験を背景にきわめて自由なフィクションの構造の作品を書くことがある。これが非常にのびのびとした雰囲気を持ち、現代詩の新たな可能性をひらいている。あるいは、現代詩というジャンルに収まり切れない作品の魅力を醸し出している。
(渡辺めぐみ・解説より)
ISBN978-4-8120-2854-4
定価 本体1400円+税
発行日 2024年9月1日
詩集『寿歌(ほぎうた)くずし』
みくちけんすけ/著
にくしんしんせきえんじゃゆうじん
数しれない人を見送って
わが身のことはどうでもいいが
忘れられないおもかげは
ひかりと風にさらさずに
そっと墳墓にしまっておきたい
ISBN978-4-8120-2681-6
定価 本体2000円+税
発行日 2024年9月15日
2024年8月更新
『詩と思想詩人集2024』
「詩と思想」編集委員会/編
一人ひとりの詩作は孤独な営みだが、詩は孤絶を目指すものではない。
いずれの詩も、ひとの心の奥深くに届き、共感を培うことを目指している。
かつて「詩と思想」に集った詩人たちは、その考えのもとで、自らの編集による、特定の詩的傾向や思想信条に偏らぬ全国誌の発行を志した。暴虐や利欲追求で世界が分断を深めるなか、ひとを本当に生かす言葉が希求される。
そんな願いを抱き言葉の真実を問う方々にこのアンソロジーをお届けする。
ISBN978-4-8120-2844-5
定価 本体5000円+税
発行日 2024年8月31日
中国現代詩人文庫5『趙光明詩集』
趙光明/著
『趙光明詩集』をご紹介致したい。
基本に「禅」があり、その思想は全四部を通して見事に透徹している。しかし、その詩想は硬軟強弱と程よく生硬ならず調和している。しかも読者の我々は、覚醒と夢幻の境界を歩ませられる。……春を失った翼は飛べない。……だが花を食べ新しい日の影に再生する。ついには荒唐無稽の意識の定着、太陽の心臓にうずくまり永遠を祈る。さあ起きよう行こう。……「一輪の花が無くとも花より美しい寝床で春によってくすぐられる」――趙光明氏は見事に詩に生きる。(佐々木久春「解説」より)
ISBN978-4-8120-2851-3
定価 本体1800円+税
発行日 2024年7月20日
中国現代詩人文庫4『金昌永詩集』
金昌永/著
連作百篇からなる『金昌永詩集 西塔』は圧巻である。中国朝鮮族の詩史でもまれだというが、一九六七年生まれの作者が挑んだ詩の形式として注目すべきであろう。……「西塔」は、歴史や社会的な意味だけではなく、作者の詩心を形作る高さへの憧れや不動、統一や無の境地をも暗示している。……歴史社会と超越的な精神の葛藤の中で自己存在を創出する苦闘が感じられ、稀有な連作詩にこめられた魂の劇に心を打たれる。
(佐川亜紀「解説」より)
ISBN978-4-8120-2850-6
定価 本体1800円+税
発行日 2024年7月20日
中国現代詩人文庫3『金学泉詩集』
金学泉/著
金学泉の詩集『飛び立つ風景』を繙くと、詩人の旺盛な筆力と多彩な作品の充溢に驚かされる。……そこには、世界の中で詩人金学泉にだけ許されている視点や姿勢を自ら恃みとしつつ、これでよいのかとふと顧みる含羞もまた語られている。
(川中子義勝「解説」より)
ISBN978-4-8120-2849-0
定価 本体1800円+税
発行日 2024年7月20日
中国現代詩人文庫2『全京業詩集』
全京業/著
全京業は、いくつもの世界を担いながら詩を書いてきた人だと思う。どの詩も、つやと深みがある。背景をもつ。
……全京業の詩には、いつも人間を見つめるために必要な虚構の力がはたらくことで、詩の全体が光り輝く。これからも多くの人が、新しい詩の世界を感じとることだろう。
(荒川洋治「解説」より)
ISBN978-4-8120-2848-3
定価 本体1800円+税
発行日 2024年7月20日
中国現代詩人文庫1『韓永男詩集』
韓永男/著
韓永男の作品は、簡素につくられたものにも、外形の印象を超えるような感興がある。読みながら終始、そう感じた。
……自身の来歴をもとに生まれながら、いくつかの場所に読む人を運んでくれる。詩の、あたたかさ、ひろがりを目に見える形で伝えてくれるのだ。そこに多くの共感が寄せられるのだろう。
(荒川洋治「解説」より)
ISBN978-4-8120-2847-6
定価 本体1800円+税
発行日 2024年7月20日
『雨宿りまで』
田部武光/著
石原慎太郎に捧げる珠玉作!
「悲しやないかっ。のう、悲しやないかっ。悲しやないかっ。のう……」
母親の感性と保護の下から抜け出すことができない青年光一の葛藤と苦悩。心を閉ざしたままの父と、父親不在で育った母、そしてその母の恋愛・自殺未遂を経て、旧弊で閉鎖的な農村のしがらみから逃れようともがき続ける。ある日、偶然に母の実父の存在を知り、光一はその実像に迫ってゆくが……。
表題作のほか、内気に見えていた祖父の若き日の恋と野心を真直に描いた「祖父の冒険」を併録。
ISBN978-4-8120-2835-3
定価 本体2200円+税
発行日 2024年7月20日
詩集『あんけらこんけら』
塩野とみ子/著
「あんけらこんけら」は、戦争、地球温暖化、我欲に満ちた社会への無言の抗いである。「さすけねえ」は、事の本質を回避するための方便ではなく、日常の息苦しさに耐えるための寓意といってもよい。「ゆるし色のとき」「月桃の島」「牟射志野」など、塩野とみ子ならではの耽美的抒情世界の広がりも魅力。生地福島の地に眠る父母や祖先たちの霊に捧げる12年ぶりの詩集。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2834-6
定価 本体2000円+税
発行日 2024年7月20日
詩集『子規の庭』
苗村和正/著
人生の最後の時間を
しずかな冬の動物園のようなところで
ゆっくりとすごすのもわるくはない
あわてんぼうの鬼のように
みじかい冬の夕暮れが無遠慮に園内に入ってくるとしても
ISBN978-4-8120-2842-1
定価 本体2000円+税
発行日 2024年7月20日
2024年7月更新
詩集『四国遍路 いよのみち』
中地中/著
四国の辺地を歩くのは
過去になくした何かを探しているのか
それとも、死の道を探しているのか
あるいは、死の先にある浄土の門を尋ねているのか
意識は漠々として蚊帳の外
歩こう、歩いて行こう、見知らぬ道を
この個体が何かを感応するまで
ISBN978-4-8120-2838-4
定価 本体2000円+税
発行日 2024年6月30日
詩集『ストーマの朝』
河野俊一/著
『ロンサーフの夜』から5年。詩人は「どの道を通ってもきっと悲しい」心で、娘の命を背負って生きている。「美しい家」に娘の魂が宿ることのみを頑なに信じ、日々の巡礼の旅に立ち向かう。『ストーマの朝』には、詩人がひとつ、またひとつ、日々の苦難を乗り越え手にした、真実のことばの光が宿っている。それはかなしくもうつくしい調べとなって読み手の心をつき動かす。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2833-9
定価 本体2000円+税
発行日 2024年6月30日
新・日本現代詩文庫168 中谷順子詩集
中谷順子/著
詩集には中谷順子さんの新しい詩人宣言といいたいほどの、清新な世界がみごとに開示されています。作品のいずれも凝視した沈思される眼の静かな輝きをもち、そしてことばの響きあい、その潺々と諧調を保つ表現によって実にこまやかに想念が醸成されています。
(冨長覚梁・解説より)
ISBN978-4-8120-2837-7
定価 本体1400円+税
発行日 2024年6月30日
詩集『私がここにいる理由』
高田一葉/著
誰もが生まれるずっと前から
そういうこったからあった ここ
お日様があって
田んぼがあって
お山があって
ここにあるっていうことが
風みたいに流れてる
ISBN978-4-8120-2840-7
定価 本体2000円+税
発行日 2024年6月26日
詩集『晴れ舞台』
橋爪さち子/著
越え得るものと
越え得ない閊えを抱いたまま
間もなく
私たちは時代を去ろうとしている
たがいに
安易な気休めなど言わないままに
ISBN978-4-8120-2836-0
定価 本体2000円+税
発行日 2024年6月25日
詩集『地に咲く花』
内田るみ/著
地球が生まれた日のように
山際が赤い
地球の起こりと
今日を沈む太陽が重なる
こんなにも
地球は美しかったかと
ISBN978-4-8120-2831-5
定価 本体2000円+税
発行日 2024年6月5日