詩集『癌・無期限治験ワクチン』
みくも年子/著
大腸癌の告知を受けたとき、
みくも年子さんは開腹手術を拒み、自らを丸山ワクチンの治験対象とした。
「何が真実なのか?」という問いに対して、
いのちを賭けて答えることを選んだのだ。
この詩集は闘いの一部始終の、詩人自身による全記録である。
(一色真理)
ISBN978-4-8120-1977-1 C 0092
定価 (本体2000円+税)
詩集『戦禍舞踏論』
秋川久紫/著
妖しく
蠢く
闇である
期待という毒薬も、絶望という媚薬も信じるに足りない。心優しき祈りより、まずは極限まで熟達した舞踏が必要だ。世界の裂け目を言葉の花弁で埋め尽くし、最後は一閃、絞首台への跳躍。書くことは詩に、いや死に値する恩寵だろうか。
ISBN978-4-8120-2012-8 C 0092
定価 (本体2000円+税)
新・世界現代詩文庫12『ルース・ポソ・ガルサ詩集』
桑原真夫/編訳
このようにルースの詩は長い詩歴として、超現実主義から前衛的な詩を経験し、エドワルド・モレイラスやロサリア・デ・カストロの詩の影響を受けながら、多くの文学者との交流を通して、多面的な象徴主義へと移行していった。ルースの言葉を借りれば「私の詩にはすべてがある。シュルレアリスム(超現実主義)があり、象徴主義があり、ロマン主義があり、リリシズムがあり、リアリズムがある」と。
(桑原真夫・解説より)
ISBN978-4-8120-2020-3 C 0198
定価 (本体1400円+税)
詩集『徘徊者』
中原道夫/著
あの日、海へではなく陸に向かって走っていった船舶、
住処や飼い主を失ってさ迷い続けていた牛や犬の群れ。
あれは行き先の判らなくなった
文明の姿そのものではないか。
やがて、あなたもぼくも
地球上の徘徊者になるだろう。
ISBN978-4-8120-1981-8 C 0092
定価 (本体2500円+税)
詩集『栞紐』
松下のりを/著
人生は一冊の本のようだ。はらはらどきどき読み進むうち、気づくともう最終章が近づいている。ここらで栞を挟み、一服してはどうだろう?
松下のりをさんの声が聞こえる。私たちは自らについて今、深く考え直す時に来ているのではないかと。
(一色真理)
ISBN978-4-8120-1996-2 C 0092
定価 (本体2000円+税)
詩集『ヘチとコッチ』
小松弘愛/著
方言は共通語の世紀の中で亡びてゆくのか、そして、共通語は英語の世紀の中で亡びてゆくのか。私は今、連作「土佐の言葉 その語彙をめぐって」を書き継いでいる。
これを進めてゆく中で、方言の未来、共通語の未来について、私なりに読むべき本は読んで考えてゆかなくては、と思っている。
(「後記」より)
ISBN978-4-8120-2017-3 C 0092
定価 (本体2300円+税)
詩集『その木は道の真ん中に立っていた』
原口久子/著
原口さんとしゃべっていると山の匂いがしてくる。
谷川のささやきが聞えてくる。
詩集『その木は道の真ん中に立っていた』は、
そんな詩人と風土が一体となって生まれた詩集と言ってよいだろう。
空と光、風や樹、花やあたたかい日差し、そこに暮らす人々、
それらはすべて原口さんであるかもしれない。
(中原道夫・跋より)
ISBN978-4-8120-2002-9 C 0092
定価 (本体2000円+税)
現代詩の新鋭19『種を焼く』
久保りゅう/著
悲しい音は待たぬ先からやってくる
私たちは、生きるために息を止めなければならなかった。
死は生の反対語などではなく、私たちが誕生して雲のない午後を望んだ瞬間から、
親しげに隣に座っている。
哀しみの海に浮かぶ悲鳴、紡がれた生と死の通低音。
ISBN978-4-8120-2006-7 C 0392
定価 (本体1800円+税)
詩集『空の円卓』
柏木恵美子/著
柏木恵美子さんは比喩の達人だ。
「あなた」の話の中で一匹の犬がじゃれていたり、
「レンカクという鳥」は抽象の虫を追う詩人のようだったり。
しかもその鳥がとどめの一行のメスをふるったりする。
比喩はその時修辞ではない。
怜悧な批評そのものである。
(一色真理)
ISBN978-4-8120-2005-0 C 0092
定価 (本体2000円+税)
詩集『光の矢』
原子修/著
絶望のふかい眠りから
まあたらしいおのれを産みおえたばかりの牝牛が
力のこもった四肢で 荘厳な夜明けをすっくと吊りあげ
幼いぼくの目のなかに
あかるい空をひらく
それは言われていたことなのだ
光は 底なしの闇がつくりだすものなのだ…と
ISBN978-4-8120-2022-7
定価 (本体2000円+税)