詩集『押し花』第46回日本詩人クラブ賞
佐川亜紀/著

第46回日本詩人クラブ賞受賞
忘れてはならない歴史のページに
はさまれた押し花。
3・11以前以後を通じ底に流れる
日本の、文明の闇を見つめた新詩集。

ISBN978-4-8120-1979-5  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『女乗りの自転車と黒い診察鞄』
細野豊/著

わたしたちはどこから来て、どこへ行くのか。
数々の出会いと別れをくり返しつつ、
世界を漂泊する魂の詩人―細野豊の渾身の言葉たち。
(中上哲夫)

ISBN978-4-8120-1975-7  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『癌・無期限治験ワクチン』
みくも年子/著

大腸癌の告知を受けたとき、
みくも年子さんは開腹手術を拒み、自らを丸山ワクチンの治験対象とした。
「何が真実なのか?」という問いに対して、
いのちを賭けて答えることを選んだのだ。
この詩集は闘いの一部始終の、詩人自身による全記録である。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-1977-1  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『遠野彷徨』
林哲也/著

現代の 道祖神の如きガラス張りの超高層ビル
その60階からさまよいでた詩人の視界に
遠野の郷の 飢餓の闇が焼きついている そして
老木の洞に籠もる薄明の澱の影に 現代文明の
心の飢餓が浮き出してくるのだ 詩人は
安らぎの原郷を索(もと)めて 今も彷徨の最中に在る
(高橋次夫)

ISBN978-4-8120-2001-2  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『戦禍舞踏論』
秋川久紫/著

妖しく
蠢く
闇である

期待という毒薬も、絶望という媚薬も信じるに足りない。心優しき祈りより、まずは極限まで熟達した舞踏が必要だ。世界の裂け目を言葉の花弁で埋め尽くし、最後は一閃、絞首台への跳躍。書くことは詩に、いや死に値する恩寵だろうか。

ISBN978-4-8120-2012-8  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『House』
中村不二夫/著

ぼくたちは歩き続けてきた。
詩人の呼ぶ声が聞えないか? さあ、家に帰ろう。
きみはもう、ひとりじゃない。まだ夜明けには間があり、
道ははるかに遠いけれど。顔を上げて、前を向こう。
きみの胸に希望というひと粒の火種が、
今も燃え続けているのならば。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-2000-5  C 0092
定価 (本体2000円+税)

新・世界現代詩文庫12『ルース・ポソ・ガルサ詩集』
桑原真夫/編訳

 このようにルースの詩は長い詩歴として、超現実主義から前衛的な詩を経験し、エドワルド・モレイラスやロサリア・デ・カストロの詩の影響を受けながら、多くの文学者との交流を通して、多面的な象徴主義へと移行していった。ルースの言葉を借りれば「私の詩にはすべてがある。シュルレアリスム(超現実主義)があり、象徴主義があり、ロマン主義があり、リリシズムがあり、リアリズムがある」と。
(桑原真夫・解説より)

ISBN978-4-8120-2020-3  C 0198
定価 (本体1400円+税)

新・日本現代詩文庫103『清水茂詩集』
解説/北岡淳子・川中子義勝

 ひとであれ、ものであれ、清水氏の詩法はまことに綿密に、やさしく愛おしみながら名づけられる前のそのものを、丸ごと掬い上げるように丁寧に書いていく。在るものも過ぎていったものも、ともに関わりのうちにし、同じ地平に立ち、まなざしを等しくして。
(北岡淳子・解説より)

ISBN978-4-8120-2028-9  C 0192
定価 (本体1400円+税)

詩集『徘徊者』
中原道夫/著

あの日、海へではなく陸に向かって走っていった船舶、
住処や飼い主を失ってさ迷い続けていた牛や犬の群れ。
あれは行き先の判らなくなった
文明の姿そのものではないか。
やがて、あなたもぼくも
地球上の徘徊者になるだろう。

ISBN978-4-8120-1981-8  C 0092
定価 (本体2500円+税)

詩集『南無、身を笛とも太鼓とも』
黒羽由紀子/著

黒羽さんの想像力は、おのれの出生が母を滅ぼす火の神の宿命的な存在に向けられ、そこに〈思春期〉の生の横溢と破壊を重ね合わせる。いや、想像力の働きの順序に即して言えば、思春期の少年、少女の暴走する生に直面した黒羽さんの心の深みから、おのれの誕生と母の死が裏表の関係であった宿命的な火の神が呼び起こされたにちがいない。(武子和幸)

ISBN978-4-8120-2011-1  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『栞紐』
松下のりを/著

人生は一冊の本のようだ。はらはらどきどき読み進むうち、気づくともう最終章が近づいている。ここらで栞を挟み、一服してはどうだろう?
松下のりをさんの声が聞こえる。私たちは自らについて今、深く考え直す時に来ているのではないかと。
(一色真理)



ISBN978-4-8120-1996-2  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『夜が眠らないので』第53回中日詩賞
若山紀子/著

 若山紀子さんの詩群を、かさねて読み、立ち向っていたら女の一生が、男の一生に透きとおってきた。モンパルナッスのサルトルの墓を訪ねたとき、素直で美しい。過去は過去でしか、未来は未来でしか、現在(いま)は現在(いま)でしかない。路傍の雫石が毅然として光る。
(長谷川龍生)

ISBN978-4-8120-2018-0  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『ヘチとコッチ』
小松弘愛/著

方言は共通語の世紀の中で亡びてゆくのか、そして、共通語は英語の世紀の中で亡びてゆくのか。私は今、連作「土佐の言葉 その語彙をめぐって」を書き継いでいる。
これを進めてゆく中で、方言の未来、共通語の未来について、私なりに読むべき本は読んで考えてゆかなくては、と思っている。
(「後記」より)


ISBN978-4-8120-2017-3  C 0092
定価 (本体2300円+税)

詩集『分水嶺を越え』
住吉千代美/著

すべてがエゴに支配された現実社会で、
住吉のように極限にまで自らを厳しく律し、
他に思いを馳せている詩人に出会うことは少ない。
住吉の詩はその生き方と寸分もたがわぬ謙虚な姿勢で、
あくまで読み手の前に「読まれることの幸運」を願ってそっと差し出される。
(中村不二夫・跋より)

ISBN978-4-8120-1995-5  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『透明体』
山本聖子/著

この詩集は、著者が日ごろ書いているランダムな、さまざまなアプローチを混在させ、一冊が詩の一篇であるように、全体がひとつの顔を孕むように構成されている。

ISBN978-4-8120-1986-3  C 0092
定価 (本体2000円+税)

一行詩『独身貴族いまはむかし』
奥沢拓/著

独り者の日常生活の
侘しさを しみじみと
またユーモラスに
描いた一行詩。

ISBN978-4-8120-2019-7  C 0092
定価 (本体1200円+税)

詩集『その木は道の真ん中に立っていた』
原口久子/著

原口さんとしゃべっていると山の匂いがしてくる。
谷川のささやきが聞えてくる。
詩集『その木は道の真ん中に立っていた』は、
そんな詩人と風土が一体となって生まれた詩集と言ってよいだろう。
空と光、風や樹、花やあたたかい日差し、そこに暮らす人々、
それらはすべて原口さんであるかもしれない。
(中原道夫・跋より)

ISBN978-4-8120-2002-9  C 0092
定価 (本体2000円+税)

現代詩の新鋭21『若い戦果』
松井ひろか/著

誰かとぶつかり〈わたし〉が現れる
もはや「平坦な戦場」ではない、この日常をどうして生き抜いていこう―。
それでも希望を持ち、群衆に紛れ込んで〈わたし〉をみつめ続ける。
泉のように言葉がいま湧き上がる、清新清冽なデビュー作。

ISBN978-4-8120-2008-1  C 0392
定価 (本体1800円+税)

現代詩の新鋭19『種を焼く』
久保りゅう/著

悲しい音は待たぬ先からやってくる
私たちは、生きるために息を止めなければならなかった。
死は生の反対語などではなく、私たちが誕生して雲のない午後を望んだ瞬間から、
親しげに隣に座っている。
哀しみの海に浮かぶ悲鳴、紡がれた生と死の通低音。

ISBN978-4-8120-2006-7  C 0392
定価 (本体1800円+税)

現代詩の新鋭20『割れたトマト』
為平澪/著

赤いトマトには血の涙が詰まってる
お父さん、お母さん、どうして私を生んだの?
無機質な白い箱の記憶しかない私にトマトをください。
飢えた私にお父さんとお母さんの、
割れないハート型の真っ赤なトマトを…

ISBN978-4-8120-2007-4  C 0392
定価 (本体1800円+税)

詩集『空の円卓』
柏木恵美子/著

柏木恵美子さんは比喩の達人だ。
「あなた」の話の中で一匹の犬がじゃれていたり、
「レンカクという鳥」は抽象の虫を追う詩人のようだったり。
しかもその鳥がとどめの一行のメスをふるったりする。
比喩はその時修辞ではない。
怜悧な批評そのものである。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-2005-0  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『シャワー』
太原千佳子/著

太原千佳子さんの『シャワー』は3・11後に、
世界の人々が汚された「美しい島国」をどう見ていたかを、
生々しく伝えてくれる。
この国はもはや比喩では語れない。
求められているのは世界の端から中心を見る視力なのだ。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-1994-8  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『いつかきっと』
重光はるみ/著

詩を「書く」ことは「視る」ことから始まる。重光さんはいつも儚いもの、小さく弱いものに目を凝らし続ける。神隠しにあった子供、アキアカネ、藁葺小屋……。風景から消えかけたものが重光さんの詩の中では、いきいきと鮮やかに蘇ってくるのだ。
(一色真理)

ISBN978-4-8120-2013-5  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『時を追う』
野仲美弥子/著

私は今、再び時を追っています。
私が満たさなかった時、
未完のまま放っておいてしまったそれら時たちを。

ISBN978-4-8120-1987-0  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『光の矢』
原子修/著

絶望のふかい眠りから
まあたらしいおのれを産みおえたばかりの牝牛が
力のこもった四肢で 荘厳な夜明けをすっくと吊りあげ
幼いぼくの目のなかに
あかるい空をひらく

それは言われていたことなのだ
光は 底なしの闇がつくりだすものなのだ…と

ISBN978-4-8120-2022-7 
定価 (本体2000円+税)

詩集『大きなつゞら』
なべくらますみ/著

異界という絵巻の中にいる
妖怪たちは、どれも元気が良くて
面白くも可愛い。
百鬼や妖怪がいたのは大昔のことだけではない。
今でも姿を変え、生き様を変えて、
現実世界に生きている。

ISBN978-4-8120-2021-0 
定価 (本体2000円+税)

詩集『宙吊りの都市』
芳賀章内/著

眼のない蚯蚓が 巨大にふくれ上がり
都市の底から 都市を宙吊りにする

ISBN978-4-8120-2027-2  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『雪』
谷口謙/著

今年も大雪でした。私は八十七歳になり、
老妻と二人で同じ雪国の丹後の地で暮らしています。
もう仕事は出来ません。
満八十歳で医業は止めました。
丹後六町は合併し、京丹後市になりました。

ISBN978-4-8120-2023-4  C 0092
定価 (本体2000円+税)

詩集『稚魚の未来』
内藤喜美子/著

詩人が詩人である所以は、悲しみを知る人であるかどうかに係っている。
優しさは、悲しみを知ることから始まるのだ。
内藤は普段着を纏った花と石蕗を称しているが、
それは詩は日常(現実)の中にこそ隠されているものなのだということだろう。
(中原道夫・跋より)
ISBN978-4-8120-2016-6  C 0092
定価 (本体2000円+税)