2020年12月更新
『うちの猫は俳句が大好き』
森真紀/著
抱腹絶倒!
老作家の家に迷いこんできた一匹の猫。
名句を巡って繰りひろげられる閑人たちの対話劇の片隅にはかならず猫が。
ポエジーとユーモアに満ち溢れたふしぎ俳句ワールド!
ISBN978-4-8120-2582-6
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月25日
詩集『モイライの眼差し』
武子和幸/著
何もない秋の野に刃の風が冷たく過ぎて
ふたたび何もない野がつづく
茶店で渋い茶を飲んでいるあなたも
音が無いのに気づかないだけでござんすよ
ISBN978-4-8120-2595-6
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月25日
詩集『赤とんぼ』
太田奈江/著
太田奈江さんは、互いが互いの心を慈しみ、賢明に生き抜いた戦中・戦後の記憶を一瞬たりとも忘れることがない。この詩集は太田さんから子や孫の世代への貴重な贈り物であるしてはならないことをしてしまうのが人間であり、そんなとき、彼らがこの詩集を読むことで、平和が当たり前ではないことに気づき、いつしかだれもが戦争に抗う勇気が得られていくにちがいない。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2599-4
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月10日
詩集『遠い呼び声』
山口春樹/著
毒は、文字通り、母に似たものを忍ばせている。最強のボツリヌス毒素が筋肉痙攣症によく効くように、青酸カリは、そっと気持ちを和らげてくれたのだ。「三盆白」は、今日も心深くに座をしめていて、かの日々を憶うたび、ほんのり甘く偲ばれるのである。
(作品「やさしい毒」より)
ISBN978-4-8120-2597-0
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月25日
詩集『空を歩む』
谷本州子/著
道があるのか ないのか
千切れ雲が
薄青一色の空を
少しずつ形を変えながら
舞うように滑るように
秋に向かっていく
ISBN978-4-8120-2603-8
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月23日
詩集『エリザベス』
太原千佳子/著
太原千佳子は聖公会の中等教育、カトリックの高等教育を経て、英米文学の道を極めるべく、かねてより念願の、英国本土最西端「ランズ・エンド」の地を踏む。その一方家庭に入り、繰り返し、立ちはだかったのは「人間(神)とは?」、「生きる意味とは?」の超難問である。日々、自問自答する中、詩人は言葉を超越した巨大な石の存在を発見、ついに日常的呪縛から解放される。詩集『エリザベス』には、人生の孤独の意味と知的な解析、カンタベリー巡礼地を一人歩いてきた求道者の姿が映し出されている。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2589-5
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月10日
『秋谷 豊 その遍歴と構築』
久保木宗一/著
秋谷豊十三回忌の今年、
著者との三十年来の交流を余さず綴った
記念すべき「感謝」の書。
秋谷豊の人間性のすべてがここにある。
ISBN978-4-8120-2591-8
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月18日
詩集『母の後ろ髪』
濱本久子/著
濱本さんは、さまざまな風物を見に現場へ行って、言葉と言葉、言葉と事物の関係づけをしている。そこに、存在するものの生命と時空のからみが読める。苦労が多くあっても、苦労話をいうよりは、人との出会いや別離に生じた哀歓を表現している。
濱本さんはプラス思考にかえて行動する性格の人だ。やり始めたら、やり遂げるまでやめない意思や情熱をもっている。
(金子秀夫)
ISBN978-4-8120-2598-7
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月27日
叙事詩『時空を翔ける遍歴』
築山多門/著
心に茨の冠を戴き
足取り重くたどる石畳の道
遥か遠く
空の青さに溶けこみ
鳥の群れが渡ってゆく
ああ もはやこの地から
青い鳥は飛び立たないのか
ISBN978-4-8120-2574-1
定価 本体1800円+税
発行日 2020年8月10日
詩集『星に祈りを』
高橋憲三/著
さまざまな人生があるんだってさ
そして
一度だけだってさ
とすれば
生きるには
…少し時間が足りない
だから わたしは
初めと終わりをそろえて
一つだけにしたい
ISBN978-4-8120-2576-5
定価 本体2000円+税
発行日 2020年8月15日
詩集『大手門』
出雲筑三/著
大手門は城の表門のこと。お城が大好きな出雲さんらしく正面から人間を問う。だが、詩は教条的ではない。時にユーモアをもつ。地球誕生から日本の国土形成や環境問題までも書く詩のスケールは広く大きい。五十六年前は東京オリンピック自転車競技候補選手だったという。大型詩人の誕生である。
(北畑光男)
ISBN978-4-8120-2571-0
定価 本体1800円+税
発行日 2020年9月16日
詩集『反転しつつ』
鬼頭武子/著
花鳥風月、日常万般への繊細な眼差しは、これらの姿をみつめ、おのれの姿を振り返り、その姿の内面の心をみごとに掬い取っていて、いずれも新鮮で底深い精神が、美しく揺曳しています。
(冨長覚梁)
ISBN978-4-8120-2586-4
定価 本体2000円+税
発行日 2020年9月20日
『木島始論』
神品芳夫/著
戦後間もない1953年『木島始詩集』(未來社)のういういしい感性で出発。やがて詩誌「列島」を中心に練達の詩人へと成長し、詩はもとより、黒人文学紹介、ジャズ評論、詩劇、児童詩、アンソロジスト、訳詩等々、多岐にわたって活動した稀有の詩人木島始の全体像に迫る、渾身の評伝。
ISBN978-4-8120-2593-2
定価 本体2700円+税
発行日 2020年11月25日
詩集『風の声 空の涙』
あおい満月/著
空の涙を含んだ風が
耳元でそっと話しかける
私は風の声に耳を澄まし
風との対話をはじめる
ISBN978-4-8120-2606-9
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月20日
詩論・エッセイ集『振り返ってみたら、そこに詩が』
中原道夫/著
―卆寿からの新たな出帆―
詩が万人のものという美質を失って久しい。
中原道夫は詩の回復をつよく願い、人間を愛し、大自然を駆け抜け、詩界を毒する「詩のお化け」に抗い、孤軍奮闘してきた。
本著の詩は感動(詩的衝動)を言葉に置き換えたもの、という主義主張は終始一貫変わらない。
すべての詩を愛する人のための希望の書。
ISBN978-4-8120-2594-9
定価 本体2000円+税
発行日 2020年11月22日
新・日本現代詩文庫151『忍城春宣詩集』
忍城春宣/著
詩とは何か、そう問うことがまさに詩なのだ、という名言がある。今、この詩集を手にした読者は、悲喜こもごものノスタルジーを作者と共有し、さまざまに生きる日の愛と哀しみを知ることになるだろう。
(平林敏彦・忍城春宣の詩 より)
ISBN978-4-8120-2584-0
定価 本体1400円+税
発行日 2020年8月15日
詩集『吉備の穴海』
柏原康弘/著
嵐の夜
海面が盛り上がった外海から
高潮が岸を侵すのにまぎれ
巨大な黒い爪が
堤防の石をかきむしる
復活の時をうかがうものがいる
ISBN978-4-8120-2602-1
定価 本体500円+税
発行日 2020年10月20日
『鈴木梅子の詩と生涯』
西田朋/著
練達な文体が魅力の詩的評伝。
西田朋はまるで天の啓示にうたれたかのように、堀口大學が愛弟子鈴木梅子に贈った「こけし」(白石市「ホワイトキューブ」前庭)の詩碑に相見する。それからは寝食を忘れて、大學と梅子を繋ぐ師弟愛の本質に迫るべく、つよい使命感をもって関係者への取材、関連資料の掘り起こしに没頭する。本著は豪商の家に嫁ぎ、苦難の戦時下を経て戦後へ、数奇な生涯を送った詩人の全体像を余すことなく描き出した屈指の詩人論である。近代女性史をも兼ねた一級資料。(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2573-4
定価 本体2200円+税
発行日 2020年8月30日
詩集『少年百科箱日記』
森哲弥/著
年を忘れた少年の日々
書き続けた日記が百科箱のラベルとなった
H氏賞受賞詩人 森哲弥が20年以上の歳月をかけて書き残した詩篇を厳選した新詩集。優美な詩的イメージが溢れる「第一の箱」、鋭利な社会的な問いを孕む「第二の箱」、純粋な詩の愉しみを伝える「第三の箱」、戦争のすそ野の小さな悲しみを語り継ぐ「第四の箱」。百科箱という詩集に収められた珠玉の36篇。
(苗村吉昭)
ISBN978-4-8120-2588-8
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月31日
詩集『たぶん書いてはいけない』
南雲和代/著
郷里に背負わされながら、表だって明かし難かったままに放置されてきてしまった無告の民の経験に、著者が長い時をかけて、気づき、確かめ、自らの半生に照らし合わせ、自身に連なってくるものとしての思いを込めて深めていった作品群…現在を生きることの、偽らざる実際の襞を、たじろがず、丁寧に取り出した……南雲さんの〈詩〉との関わりは、紛れもなく本物だ
栗原敦「跋文」より
ISBN978-4-8120-2572-7
定価 本体2000円+税
発行日 2020年10月25日
詩集『九条川』
髙橋嬉文/著
見よ!
歴史を学ばぬものよ
耐えることなき九条川の流れを
聴け!
理想を持たぬものよ
絶えることなき九条川の祈りを
ISBN978-4-8120-2600-7
定価 本体1500円+税
発行日 2020年11月30日