2017年8月更新

詩集『嗜眠の空』
杉山弘子/著

死者たちは
決して
墓地に止まることはない
山みちの最も細い秘密のみちは
山頂に向かっている
山頂の美しい葉の上で
すっかり心を休ませる
初めて飛ぼうとする小鳥のように
思い思いの風を待つ姿がある
「春の日に」より

ISBN978-4-8120-2357-0
非売品
発行日 2017年8月15日

エッセイ集『家族物語』
浜厚子/著

 私たちはこの十月に結婚四十周年を迎える。節目となる今年、また本を出したいと思った。前回では書ききれなかったことや、この十年間に起きた新しい出来事など、書かずにはいられないことがある。私とつながるすべての人々にお礼の言葉も伝えたい。新しいメンバーを迎えて始まる家族の物語、そんな思いを込めて本のタイトルを「家族物語」とした。
「あとがき」より

ISBN978-4-8120-2365-5
定価 本体1500円+税
発行日 2017年8月21日

詩集『花の瞳』
藤井雅人/著

花の瞳は見開いている
そこから輝きたつひかりがある
放射状に 宇宙の涯をさして……
こころの闇のなかで
花びらはしずかな炎にかわる
そして のびていく
宇宙の涯をさして どこまでも

ISBN978-4-8120-2377-8
定価 本体2000円+税
発行日 2017年8月15日

詩集『さんざめく種』
佐川亜紀/著

表現の自由が脅かされる時代に
言葉のさんざめく種を大切にしたい。
文明の危機を考え、アジアの歴史を省み、
平和を祈る新詩集。

ISBN978-4-8120-2384-6
定価 本体2000円+税
発行日 2017年8月15日

詩集『弐楽半のうた』
前川幸雄/著

本詩集は、さながら、文学と学問への情熱と気概を失っていない人生の先達が書き留めた備忘録に譬えることができるかもしれない。ただし、この備忘録は決して無味乾燥な覚え書きの類ではない。そこには読む者の心に響く言葉の綾が縦横に織り込まれている。
(松田和之)

ISBN978-4-8120-2374-7
定価 本体2000円+税
発行日 2017年9月1日

『詩と思想詩人集2017』
詩と思想編集委員会/編

現代詩を読むことは、グローバルな社会と向き合い、
氾濫する情報と虚構の中に一粒の真実を探り当てる体験だ。
小さな声が響き合い、沢山の言葉と出会って、
豊かで力強いメッセージを産み出す。
世代と地域を超え、あなたの耳に届けたい、全国の詩人453名による自選アンソロジー。

ISBN978-4-8120-2390-7
定価 本体5000円+税
発行日 2017年8月31日

詩集『渡邊坂』
中井ひさ子/著

あの世とこの世の境い目や、人間と動物の区別はあるようでない。ないようである。たとえば見なれた坂道や路地、生け垣の向こう。そんな場所から一筋の隠れ道は始まっている。懐かしさがひりひり込み上げる、郷愁の中井ワールド。

ISBN978-4-8120-2370-9
定価 本体2000円+税
発行日 2017年9月9日

詩集『御馳走一皿』
原田もも代/著

どの家にも孤独な台所がある。そこは家庭の中心で、臍のような場所。流しにあいた穴からは、宇宙の森羅万象が覗ける。戦後を生きた家族の営み、日常に潜む悲しみや怒りを、鮮やかに切り分け、水に流して……。さあ召し上がれ。

ISBN978-4-8120-2372-3
定価 本体2000円+税
発行日 2017年8月30日