2018年12月更新

新・日本現代詩文庫140『内藤喜美子詩集』
内藤喜美子/著

日常や身近にある事物を対象にしているのではなく、夏の終わりの風景そのものに絞ってイメージを展開しているのである。その方法に今までなかった新しさ、内藤さんにとっての新しさが私には感じられたのである。情景描写にぎりぎりまで拘りながら、その底流に批評性を孕ませているところが見所なのである。
(高橋次夫・解説より)
ISBN978-4-8120-2456-0
定価 本体1400円+税
発行日 2018年9月25日

新・日本現代詩文庫139『比留間美代子詩集』
比留間美代子/著

比留間は四十七歳の時、過労から意識不明になり自転車から転落し、救急車で搬送され、その後病気がちの人生を送ることになる。が、逆にそこで平常心を保つために詩作に向かう。「病気の時は病気を愛しなさい」と言った平林たい子の言葉さながらに。自己とは何か。自分にとって、生きることとは何かと。
(中原道夫・解説より)
ISBN978-4-8120-2455-3
定価 本体1400円+税
発行日 2018年9月25日

詩集『たまゆら』
古賀博文/著

母の死後、時として垣間見るようになった
異界の風景などを題材にした詩篇群から自選し、
「荒ぶる魂」「修養する魂」「浄化された魂」といった趣旨で
三章に取りまとめられた特異な第7詩集。
ISBN978-4-8120-2447-8
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月15日

詩選集『暖かい風が吹いて』
市野みち/著

黄色い黄色い菜の花畑 陽が傾いても帰りたくない
ここに幸せがありそうで でも持っては帰れない
幼い頃にも出会っていたね 夢の様な菜の花畑
ISBN978-4-8120-2469-0
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月30日

詩集『踊る里山』
三宮昭一/著

その昔の昔、日本海が主役であった。
その日本海の血を遺伝子として享けてきた三宮さんは生地柏崎の情景そのままに生きている。
野良での仕事漬けの父と母、祖父母、兄弟姉妹。里山が踊りだす鎮守の森の祭囃子。
これが三宮さんの詩の根っこである。
(高橋次夫)
ISBN978-4-8120-2464-5
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月7日

詩集『葉を煮る』
橋爪さち子/著

大胆にしてエロスとタナトスの実相に迫った詩集。かつて、世界の矛盾と格闘した詩人の烽火は今も健在、ここには、言語的な偽装や武装、他者からの庇護を一切受けることなく、個の力によってのみ生きる、覚悟とつよい決意表明がある。
(中村不二夫)
ISBN978-4-8120-2468-3
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月25日

新・日本現代詩文庫138『水崎野里子詩集』
水崎野里子子/著

少女はやがて、女性へと成長する。自分にいつでも真っ正直で、少女らしさを決して見喪うことなく。活発で、正義感に炎えていた。のちに高良留美子、新川和江、ジャーナリストの松井やよりなどと交わるようになるのも、内的必然ではなかったろうか。彼女は決して、或る特定のイデオロギーに左右されたり、レトリックに凝るタイプではない。
(ワシオ・トシヒコ・解説より)
ISBN978-4-8120-2461-4
定価 本体1400円+税
発行日 2018年10月25日

詩集『ダマラナイ』
くにさだきみ/著

ドコノ国ガ ドコノ誰ヲ「捨て石」ニスル法案ナノカ。
ダレガ ダレノ 「捨て石」ニナリ
ドコニ ダレノ
ドンナ 闇ガ ヒロガルノカ。
『石になった少女』の 泣く声が 聞こえる。
ISBN978-4-8120-2474-4
定価 本体2000円+税
発行日 2018年10月30日

詩集『埋もれた時を求めて』
樋口忠夫/著

今に沁みだす真清水を汲み取り、
生と死の命題を通奏低音に、
思惟と祈りをこめた痛切な詩篇群!

ISBN978-4-8120-2445-4
定価 本体2000円+税
発行日 2018年11月10日

詩集『羽をかざって』
平野文子/著

子育てを放棄する鬼のような父母のニュースを聞くたびに(ちちよ ちちよ)と鳴く蓑虫にまでも思いを馳せる。感性と知性の調和した美を提示する。今日の詩である。
(北畑光男)
ISBN978-4-8120-2466-9
定価 本体2000円+税
発行日 2018年11月15日

詩集『空中ぶらんこ』
柏倉千加志/著

わたし
地球を忘れてきたのかもしれない
すべて学びつくしたはずの
あの教室に
ISBN978-4-8120-2459-1
定価 本体2000円+税
発行日 2018年11月15日

詩集『白い途上』
井上喜美子/著

息を詰めて そっと やりすごそうとして
こわごわ後姿に目をやると 犬ではなかった
なんと尻尾が太い キタキツネである
ISBN978-4-8120-2460-7
定価 本体2000円+税
発行日 2018年11月30日

詩集『こがらし』
門林岩雄/著

オギャアと生まれ
とんだりはねたりおどったり
夢みて夢の終わるまで
ISBN978-4-8120-2473-7
定価 本体2000円+税
発行日 2018年11月15日